【解答例】
Ⅰ
(1)
このような音程は組み合わされてはじめて、私たちがクラシック音楽と呼ぶ複雑な音となる。本質的に、音楽は階層体系のほんの一例であり、この体系の中では、パターンはより大きなパターンの中に組み込まれている。これは、単語が文を、そして章を、最終的に小説を形成するのと似ている。
(2)
少数の普遍的な構成要素から多様な機能が生じるという論理的枠組み。(32字)
(3)
その音楽を聴くことで、絹糸を紡ぐ過程でアミノ酸鎖が相互作用して一つの素材を形成する仕組みを私達はより深く理解できるようになった。例えば、低品質の絹繊維を形成するアミノ酸鎖は、攻撃的で不快な音楽に置き換えられる一方で、よりよい繊維を形成するアミノ酸鎖は、より綿密に織り込まれた網から生じたものであるため、より優しく滑らかに聞こえた。
Ⅱ
(1)
無に関する問題は17世紀までに解決され、その後は会話や心配の対象にならなかったということは、実は決してない。無は依然として謎であるだけでなく、(おそらくそのために)私達が気付かないときでさえ、日常のあらゆる職業の間で姿を現し続けている。
(2)
知識が増えれば増えるほど私達が知らないことは減るので、すべてのことについての知識が増えるにつれ、無についてよりわからなくなるという奇妙な逆説が私達には残されることになる。
(3)
ア brought イ sung
Ⅲ
(1)
Hanako: Did you read yesterday’s evening newspaper? It said that eggs of Toki, which are on the verge of extinction, had hatched.
Taro: The keepers must have had a difficult time.
Hanako: Actually, these baby birds hatched from the eggs of parents which had been returned to nature.
Taro: The environment where Toki can live comfortably, that is, a place with clean water and air where they aren’t chased by human beings just because they are rare birds may also be comfortable for us.
(2)
It seems that there are some languages in the world without letters. We tend to think such languages are inconvenient because we are surrounded by letters every day. But whether languages have letters or not, they have common fundamental functions. It may be really arrogant to think that languages with letters are superior to those without letters.
【講評】(難易度は平年の京大対比)
Ⅰは標準的な長文読解問題。(1)の1文目は倒置が見抜けるかが鍵。(3)は harsh の訳語もポイント。harsh は今年の東大の和訳でもポイントとなった。
Ⅱも標準的な長文読解問題。(1) の walk は「職業」という訳語が出てくれば素晴らしいが、実際は難しいと思われる。文脈から「場面」などいう意訳ができれば十分だと思われる。
Ⅲは標準的な和文英訳問題。(1)「孵る」のhatchが浮かべば素晴らしいが、知らなければ知っている単語でうまく表現しよう。そのまま英語にできない表現に出くわした場合は、いかに知っている単語で元の日本語の意味に近付けるかがポイント。普段の鍛錬がものを言う。
和訳は構文上のポイントを外さないように。英作文は知っている単語で元の日本語に近付けるのが大事。京大レベルの和文英訳の練習は独学ではなかなか難しい。いい先生を見付けて、添削をお願いしよう。
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