2024年の TOEIC®難化傾向について

最近の TOEIC® L&R は難化傾向を見せています。

難化の目的は何か?

 難化は公式には発表されていません。しかし、以下のような意図があるのではないかと推測します。

● 最適な難易度を探っている
 TOEIC®L&R では、10点の人から990点の人まで、様々なレベルの受験者が同じ問題を解くことになります。どのレベルの問題を出題するのが適切かは難しい問題です。適切なレベルを探っている途中、たまたま今の日本の TOEIC®TEST が、問題の難易度が高い時期にあたっている可能性がります。
 お隣の韓国は、現行形式になった2016年が一番難しく、その後易化傾向をたどっています。一方、日本は、2016年が一番易しく、その後、難化傾向を見せています。今後、韓国で一番難しかったときのレベルまで日本のレベルも上がってくるかもしれません。

● 高得点者のスコアをより正確に出す
 高得点者のスコアをより正確に出すには、レベルが高い問題が多い方が統計的にいいと思います。985点の人と990点の人の差を正確に出すことは、10点の人と15点の人の差を正確に出すより大事だと運営側が考えるようになった可能性があります。実際、15点を目標に TOEIC®TEST を受ける人はあまりいないと思います。月曜から夜ふかしのフェフ姉さんの初 TOEIC®TEST の結果が確か15点でしたが、そういう人は少ないでしょう。

2023年までの難化傾向

 2016年から現行形式になりましたが、2023年までの段階でも難化が見られます。

Part 1
 間違いの選択肢が紛らわしくなっており、その分、正解が選びにくくなっていると思います。
Part 2
 間接的な応答の問題が難しくなりました。
Part 3, 4
 使われている語彙レベルが上がりました。ただし、問題を解く上で必要な単語のレベルは上がっていないと思います。しかし、途中で知らない単語がたくさん出てくると精神的に厳しいかもしれません。
Part 5, 6
 ここは、この期間に難化したとは感じません。ただ突発的に難しい回があります。
Part 7
 毎回出る訳ではありませんが、ときどき難しい設問が出るようになりました。文章中のどこにも書かれていない選択肢が正解になるタイプです。このタイプの問題は、残りの3つの選択肢が完全に間違いで、どこにも書かれていない選択肢が相対的によりよい選択肢となります。


2024年に入ってからの難化傾向

Part 3, 4
 グラフィック問題で、複数箇所の情報を結び付けなければ答が1つに絞れない問題が出るようになりました。1か所の情報で選択肢が2つに絞れ、さらにもう1か所の情報で選択肢が1つに絞れるタイプです。ただ、このタイプの問題は毎回出ているわけではありません。

Part 7
 ここが今年に入ってから明らかに難化しているところです。まず、総語数が増えました。時間が厳しくなっていると思います。
 また、文章中の単語レベルが上がりました。ただ、問題に絡む単語のレベルは大きく変わっていません。問題と関係のないところの単語が難しく、悩まされるかもしれません。


難化は不公平ではないか

 TOEIC®TEST は、英語力が変わらなければ同じスコアが出るように設計されています。難しい問題にあたったときは、解ける問題数は減るかもしれませんが、英語力が変わっていなければ、過去と同程度のスコアが返ってくると思います。難しいから不公平だということはありません。
 ただし、前半に解けない問題が多いと精神的にきついかもしれません。
 テスト中は、難易度など余計なことは考えず、試験に集中しましょう。反省は試験が終わってからです。


難化傾向にどう対処するか

● Part 7 の文章量が増えたことから、速読能力を磨くのが大事です。
● Part 7 の文章量は増えましたが、増えたのは問題を解くのに関係のない部分です。問題を解く上でどの辺を重点的に読むかの見極めが大事です。
● 単語は難しくなっていますが、問題に絡む単語のレベルは大きく変わっていないと思います。ある程度単語の勉強をした上で知らない単語が出てきた場合、問題と関係ないのではないかと考えてみるものいいかもしれません。


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大阪英語特訓道場代表:亀田浩史 の紹介

地方無名校から東京大学へ進学。 学生時代に海外経験なしでTOEIC®TEST980点 を取得。TOEIC990点獲得回数は50回超。毎回TOEIC を受験し、最新傾向を随時オリジナル教材・レッスンに反映。 主要大学の解答速報、英検解答速報も作成。英検1級。訳書6冊。
カテゴリー: 大阪梅田のTOEIC®990点講師のブログ タグ: , , , パーマリンク