2014年度京都大学英語解答例・講評

【解答例】

(1)
そのため、私達はその分野の歴史を学生に教えているのであり、哲学をすすんで無視する科学者は自己責任でそうしているのだ。哲学のない科学のようなものは存在せず、あるのはただ根底にある前提を考慮しないで行われてきた科学の存在だけだ。

(2)
専門の哲学者が過去の過ちを犯さない、あるいは、過去の過ちを正当化することがないというわけではない。もし問題が難しくなければ、それらは取り組むに値しないだろう。

(3)
他の学問分野ははっきりした問題に正解を出すことを専門にしているが、私達哲学者は、答は言うまでもなく、正しい問題が何かが誰も確信できないほど非常に込み入ったありとあらゆる方法を専門にしている。誤った問いかけをすることで、研究を最初から誤ったものとする危険がある。そのようなことが起きた場合はいつでも、哲学者が役割を果たす場がある。


(1)
大学の学部の数学教育に取り組んでいる研究もあるが、それらは比較的少ない。既存の数学を学んだり教えたりすることと新たな数学をつくり出すことの間には大きな違いがある。

(2)
非常に顕著に表れたのは、よりよい言葉がなく直観とでも呼ばざるを得ないようなものの重要な役割であった。潜在意識の特性が彼らの思考を導いていたのだ。彼らの最も独創的な洞察は、段階を追った論理から生まれるのではなく、突然、とっぴな飛躍によって生まれるのだ。

(3)
一方では、問題が属していると思われる分野の知識なくして、難しい問題は解けないであろう。万一に備えて、問題と関係のあるもしくは関係のない他の多くの分野の知識も持っておかなければならない。他方、すでに他者が試した結果の出ない標準的な思考法にとらわれてしまうだけであれば、思考の泥沼にはまってしまい、何も新しいものを発見できないだろう。


(1)
In recent years, electronic books have been spreading rapidly. Although they are less common in Japan than in the US, more and more Japanese people have chances to read on computers or brand-new devices. However, there are many people who feel they haven’t read without reading paper books. This is not only applied to elderly people. Now is the time when academic papers or novels are usually written on computers, but newly-bound books seem to be somewhat attractive.

(2)
Yesterday I was riding on a crowded train. Then I found a boy, seemingly an elementary school student, shouting loudly, running into the train and pushing away people. He was shouting to the driver with his cheeks red, “Sir, let me off at the previous station.” Then he disappeared suddenly. Did he leave something behind? If so, it must have been very important, considering his desperate expression.

【講評】(難易度は平年の京大対比)

英文和訳問題。やや難。
(2)の1文目と2文目のつながりが難しい。哲学者が過去の過ちを繰り返すことがあるのは、難しい問題に取り組んでいるからだということを行間から読み取らなければならない。
(3)の”set off on the wrong foot” は文脈からわかれば十分。


英文和訳問題。標準。
(2) は”for lack of a better term” が、what と must の間に割り込んでいるところが難しい。


和文英訳。やや難。
日本語が長く、修飾語もごちゃごちゃしている。日本語1文を英語1文で書くのが難しければ、2文で書くのも手。また、問題文中の日本語の英訳が思いつかない場合は、その日本語がどういうことを言おうとしているのかを考え、なるべく元の日本語に近い表現を探そう。

全体を通して何度は高い。特に、和文英訳はこのレベルになると独学は難しい。いい先生を見付けて、添削をお願いしよう。

 


ブログランキングに参加しています。
記事が参考になりましたら応援クリックお願いします!
↓ ↓ ↓
にほんブログ村 英語ブログ 英語学習情報へ 


大阪英語特訓道場代表:亀田浩史 の紹介

地方無名校から東京大学へ進学。 学生時代に海外経験なしでTOEIC®TEST980点 を取得。TOEIC990点獲得回数は60回超。毎回TOEIC を受験し、最新傾向を随時オリジナル教材・レッスンに反映。 主要大学の解答速報、英検解答速報も作成。英検1級。訳書6冊。
カテゴリー: 大阪梅田のプロ英語家庭教師の大学受験英語コラム パーマリンク